たまには映画の話でも

こんにちは!
だんだんと暖かい日も増えてきて、春の訪れも近く感じる今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか🌸
京都ココログループのフォトグラファー谷島です。

今回は映画のお話でもさせていただければと思います。
古今東西、たくさんの名作と呼ばれる作品がありますが私の独断と偏見と好き嫌いに満ち溢れた視点で邦画の中からいくつかの作品を紹介したいと思います。
※著作権等の観点から、写真等少なめの構成となりますことをあらかじめご了承くださいませ。

まず最初にご紹介しますのは、『凶悪』
2013年の作品でございます。小説『凶悪 -ある死刑囚の告発-』を映画化した作品となっておりまして、山田孝之さん、ピエール瀧さん、リリーフランキーさんが出演する社会派のサスペンスです。

あらすじ~記者・藤井(山田孝之)のもとに、死刑囚である須藤(ピエール瀧)から、関係した犯罪には首謀者がいるので面会して話したい旨の手紙が届き、須藤の話をもとに藤井が取材を進めていく…~という話なんですが、この映画の驚くべきところは1999年に実際に起きた凶悪殺人事件「上申書殺人事件」がベースになっていて、且つその内容がフィクションかと思えるほどに凄惨であるというところです。
鑑賞中、作品に登場する人物や風景の情感がなんか既視感あるような、懐かしいような不思議な感覚を覚えたので、鑑賞後にモデルになった事件を調べてみたところ、なんと私の地元である茨城県で起こったものだそうで、地元民が見たときに、良くも悪くも、なんとも形容しがたいような地元の雰囲気を写し出している点に改めて衝撃を受けました。

いかがでしょう。ここまで読んで、すでに娯楽映画の類でないことはおわかりいただけたかと思いますが(笑)、日常的に刺激に飢えている方にはとってもオススメできる映画かと思います😂

続きまして、『孤狼の血』
2018年の作品でございます。小説『孤狼の血』を原作とした映画で、役所広司さん、松阪桃李さんが出演する、いわゆるヤクザ映画です。

ヤクザ映画ということで、やはり舞台となるのは広島県です。2つの暴力団の間で抗争の火種がくすぶる昭和末期、管轄する警察の刑事大上(役所広司)の下に、新人として日岡(松阪桃李)が配属されてくるところから物語が始まります。

近年、若者の間で昭和レトロが流行っているというのもあってか、作中に登場する人物のファッションや舞台となる広島の街並み、車のデザインなど、所々に昭和の雰囲気がこれでもかというくらい再現されていて、映画の内容とは別で、かわいい😍と感じる瞬間が多々あります。
見所はたくさんあるのですが、まず…※微量のネタバレ要素がありますので予めご了承ください。

 

 

 

 

・役所広司さん扮する大上のギラついたマル暴刑事姿がたまりません。
・石橋蓮司さんが組の会長という立ち位置にキャスティングされているのも安心感があります。
・江口洋介さんもまさかのヤクザ役です。しかも若頭。”あんちゃん”姿を小さい頃にみて育った我々くらいの世代の方からすると想像を超えてくるギャップに思わず萌えずにはいられないのではないかと思います。
・滝藤賢一さんの罵声。想像してみてください、バッキバキに目がキマった滝藤さんが人を激しくなじる場面を。素敵です。
・中村倫也さんのチンピラ風ヤクザ姿も見ものです。ずっとこういうキャステイングしてほしいと思ってしまうくらいにハマってます。

…っと、書き出すとキリがないくらいキャスティング・演技、どれをとっても極上のヤクザ映画なのです。
もちろん、銃撃シーンや暴力的なシーンはたっぷりありますので、苦手な方はご注意ください。

最後は『碁盤斬り』
こちらは比較的新しい2024年の作品です。このブログを書くにあたり調べていてわかったのですが、古典落語の演目が元になっているそうです。出演は草彅剛さん、清原果耶さん、國村隼さん、斎藤工さん他。
柳田格之進(草彅剛)という侍が、身に覚えのない罪によって藩を追われ、貧乏暮らしを余儀なくされる。武士の誇りは捨てず、実直な暮らしを続けていく柳田は過去の事件の真相を知り、復習を決意する…というお話で、お分かりの通り、時代劇でございます。

草彅剛さんのお芝居が昔から好きなんですが、「実直で融通の利かない、言葉数の少ない武士」がこんなに似合う人もなかなかいないのではと思うくらいにハマっていて、復讐を遂行していくシーンでは言葉数の少ない中にも激しく怒りを表現する場面などもあり、思わず息をのまずにはいられないほどの迫力があります。
これはちょっと穿った見方になりますが、好々爺を演ずる國村隼さん、他の映画でみる圧のある雰囲気をどこかに感じてしまって、ニコニコしてるシーンが多いんですが、逆に怖いということになってしまってます😂 いや失礼な話ではありますが、それほどまでに今まで積み上げてきたイメージって強いんだなぁと感じたので。

私個人の見解というか、好みなんですが、時代劇というものは、「勧善懲悪と予定調和」がベースとなり、それだけでは新鮮味がなく面白みに欠け、崩し過ぎると時代劇を見た後の安心感というかスッキリ感が足りない..ということになったりするというイメージです。
この作品は勧善懲悪は抑えつつも予定調和のニオイはあまりせず、しかしながらちゃんと落ち着くところに落ち着く…と思わせておいて…!…というような「どうなるの?」的展開が多めにあることで最後までじっくり楽しむことができます。

というわけでオススメ3作品挙げてみたのですが、いかがでしょう。
ハッピーな気分になれる映画もっとみればいいのに、と思われる方もいらっしゃることは百も承知でございますが(笑)、人間のダークな側面こそエンタメとして昇華された上でみたいものじゃありませんか?😉
今回オススメした3作品は、なんと全て同じ監督が撮っていらっしゃいます。白石和彌監督です。これが言いたくて今回このブログを書いていると言っても過言ではありません。
3つの作品に共通するのは…とまとめたいところですが、まとめることができません(笑)。暴力は多かれ少なかれ3つの作品で扱われているんですが、それだけにスポットを当てた作品ではありませんし、(作品の見所として強めに描かれている部分はあるにせよ) 共通して言えるのは、人間の悩みや非道さや怒りや弱さがリアルに描かれていて、これまで観た白石監督のどの作品も惹きこまれてしまうものばかりでした。

今回紹介した作品の他にも
・日本で一番悪い奴ら
・死刑にいたる病
・十一人の賊軍
・仮面ライダーBLACK SUN
・極悪女王

…など、近年人気の作品が多く、私も次の作品が楽しみで仕方ありません。まだみていない作品を観て待つことにしようと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました✨

※冒頭や文中で使用している画像は、内容とは関係のないものです。

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